コラム
ターミナルケアとは?
ターミナルケアとは、病気で余命がわずかになった方に対して行う、医療・看護的、介護的ケアのことです。
残りの人生を少しでも心穏やかに自分らしく過ごせるように痛みや不安、ストレスを緩和し、患者様のQOL(クオリティオブライフ=自分らしい生活の質)を保つことを目的としています。
「どんな状態がターミナル(終末)期に入ったというのか」という定義には様々な意見がありますが、病気の治癒が見込めず積極的な治療が行えなくなった時、または寝たきりで食事がとれなくなった時、苦痛や精神的な不安を伴うならば延命治療を選択しないという決断をした時などが例としてあります。
この様に「延命するのか、それとも残された時間を充実させるのか」というデリケートな決断を扱う分野です。
・ターミナルケアの内容
ターミナルケアには大きく分けて3つの分野があります。
○身体面に対するケア
投薬などで痛みや辛さを緩和するケアです。
体の清拭や身だしなみを整えること、床ずれの防止、食事ができなくなった場合の点滴なども含まれます。
○精神面に対するケア
患者様の不安や恐怖、ストレスなどを取り除き、心穏やかに過ごすためのケアです。
患者様の気持ちに寄り添い、話を聞き、家族や友人と過ごす時間や趣味を楽しむ時間などを設けたりします。
○社会面に対するケア
ターミナルケアが長期間続くと、費用や関係各所とのやり取り、手続きなども大きな負担となってきます。
主に家族にかかる介護・看護のストレスや、社会との関わり・特に福祉制度を利用する際の負担を減らす手助けを指します。
ケアマネジャーなどのスタッフも連携し家族の話や悩みを聞いたり、支援制度の紹介や情報提供をしたりします。
・その他のケア
○緩和ケア
○看取りケア
○ホスピスケアなどもあります。
ターミナルケア、どこで行う?
ターミナルケアを行う場所は主に自宅、医療施設、介護施設の3つです。
それぞれの特徴やメリット、デメリットをご紹介します。
・ターミナルケアはどこで受けられるか?メリット・デメリット
自宅
メリット
最後の時間を慣れ親しんだ自宅で過ごすことができること、家族と一緒に過ごす時間が増えます。家族としても病院に繰り返し行くことが減り、自宅で常時様子を見続けることができます。
デメリット
家族が主体となって介護をすることは「家族みんなができるだけ患者様中心の生活を送る」ことでもあります。
患者様の状態によっては介護に加え痰の吸引などの医療的ケアも家族が行う必要が出てきます。
また、ターミナルケアは24時間体制でのケアが必要で、いつ急変するかわからないということもあり、家族の肉体的、精神的負担が大きくなるでしょう。
体調不良や急変などで医者の往診回数が増えれば、その分費用も大きくなってしまいます。
医療施設
メリット
病院やホスピスなどでターミナルケアを受ける場合は、急変時でも医者や看護師などが常にそばにいるので安心ですし、家族にかかる肉体的負担も少なくて済みます。
デメリット
ケアや治療内容、期間によっては費用が大きくなってしまう場合があります。
家族が常時本人のそばにいてあげられないことで、本人や家族の不安が強まるかもしれません。
また、緊急時に家族がすぐに駆け付けられるとは限らないため、最後を看取ることが出来ない可能性もあります。
介護施設
メリット
老人ホームなど介護施設でターミナルケアが行われる場合、それはほぼ看取り介護となるため、ケアマネジャーや介護スタッフ、施設の医師や看護師が24時間体制でケアを行えます。
介護のプロが見てくれるので、褥瘡ケアや日常生活のサポートにも安心感があります。着替え・排泄・廊下や階段の移動など、在宅ケアで苦労することも、被介護者があまりストレスを感じることなく過ごすことができるので、家族の負担が少なくて済みます。
デメリット
医療機関でのケアと同様、費用の問題やすぐに駆け付けられない可能性などが考えられます。
メリットとデメリットを踏まえた上で、本人と家族が納得できるケアの方法を考えていく必要があります。
・たんぽぽとして
在宅でのターミナルケアを選ばれたご家族の中には、患者様が少しでも自宅での生活を続けられるように、また社会性を保つために、少しの時間でもいいから外出してもらい介護の負担を軽減したい等の理由でデイサービスを利用される方も実際にいらっしゃいました。
たんぽぽは車椅子での利用も可能です。またご家族がどんなことでも相談することが出来るため、精神面での不安も軽減できます。